耐水・難燃ペーパーハニカム
多孔質シリカ被膜加工ペーパーハニカムとは
ペーパーハニカム構造体の表面を多孔質シリカで被膜し、樹脂や無機物を混合させず、強度、耐水性、難燃性を向上し、低コストで生産が可能になった新しいペーパーハニカムです。従来のペーパーハニカム構造体は耐水性や難燃性に弱点があり、生産時に置ける工程や高コストが問題でしたが、多孔質シリカ被膜付きペーパーハニカムは、樹脂や無機物を資材に混合する必要が無くなり、高温処理などの煩雑な工程を要さないため、環境負荷物質の低減、製造プロセスの省エネ化と低コスト化を同時に実現しました。
一般的なペーパーハニカム基材
繊維が毛羽立っているためハニカムの接点が剥がれやすい。
多孔質シリカ皮膜した基材
多孔質シリカで被膜されているため、ハニカムの接点が強固に接着されている。
耐水性
多孔質シリカ被膜基材を水道水に浸漬させ、3ヶ月以上経過後に持ち上げましたが、形状変化は見られず、耐水性が高いことがわかります。
難燃性
多孔質シリカ被膜基材のハニカム面に対してガスバーナーの火(1300℃)でも、わずかな変色が見られる程度で、燃えにくいことがわかります。
低コスト・多機能化で様々な分野に対応
電子顕微鏡(右:写真)の処理前基材ではセルロース繊維が明確に観測され、処理後基材ではセルロース繊維は多孔質シリカで被膜されているのが確認できました。試験体の圧縮試験では処理前基材の圧縮強度は0.85MPa であるのに対し、多孔質シリカ被膜基材では被膜の効果により4.4MPa に達しました。
また湿度70%の室内で15時間吸湿させた後に重量測定を行い、吸湿率を求める試験結果では処理前基材に対して5倍の吸湿率になりました。基材表面の多孔質シリカ被膜の膜厚や表面積を制御することで調湿機能を持たせるなど様々な用途に対応できるため、バイオプロセス、浄化材、高機能性建材、空調材など、幅広い分野での応用が期待されています。
リサイクル可能
機械プレスすることで皮膜がはがれるため、通常どおりのリサイクルが可能です。